あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

ミニシアターに映画を観に行くということ

 映画は世界を拡げてくれる可能性を持っています。ミニシアターはシネコンに比べると、空間的・時間的に多様な(色んな国や地域、様々な時代の)映画をみせてくれます。重要なのは私達が空間的・時間的・ジャンル的に「閉じることなく」常に違う場所に立って様々な映画を観ることなんだろうと思います。

 映画は世界を拡げるというところからはじまって、多くの映画を観ていながら、途中からどんどん世界が「閉じて」しまっている人々をしばしば(所謂「マニア」の中に)見かけます。自分の人生における何かから逃げる空間としての映画であるなら理解できなくはありませんが、もったいないな、と思います。

 私達は映画を「映画の知識を蓄積するために観る」訳ではありません。映画を観ることで得ることのできる「驚きや気づき」を体感するためだと思います。それがあるから私達は映画が終ったときに興奮して誰かに語りかけたくなるのだと思います。「閉じる」ということはそれを減衰させることだと思います。

 もちろん一時的にある国や時代やジャンルの映画に深く傾倒することはあるでしょう。しかしそれで終ってしまうことは他のあらゆる可能性を自ら消してしまうということです。私達は自分が思う以上に「色んな映画を楽しむことのできる能力」を潜在的に持っていることにまだ気がついていないだけなのです。

 だから私達は「今まで観たことなかった種類の映画や、ちょっと苦手かもと思っていた映画」を観るというほんの少しの勇気を持ち続けることが肝要だと思います。たとえそれが失敗だったとその時は感じたとしても後悔することなく次のささやかな再挑戦に向かうことが新しい世界を開く鍵なのだと思います。

 長文連投失礼しました。映画が好きでもそんなに詳しくもない人間がエラそうに書いてしまいましたが、これは自戒を込めて、日頃感じていることを書きました。要するに「閉じないこと」と「ミニシアターにかかっている多様な映画を観ましょう」というお話でした。

 (2014年8月17日、Twitterより)