あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

シネコンとミニシアター

ヒミズ」について書こうと思ったけど、それより。ミニシアターでは週末満席というこの映画が、最大手シネコン(の最大ホール)で上映されている平日(会員サービスデイ)19時前の回で観客は4人。完全にリサーチミス。ミスマッチの理由は、シネコン多数層は現実逃避の為に映画を見る、ということ。

最近シネコンは1日14日等以外あまり入っていない。「何か映画を観よう(千円だから)」が動機、逆にレディースデイはさほどで「何か観たい映画があったら観に行こう(毎週やっているし、今週はいいや)」という心理が推測されます。東宝系の料金改定テスト失敗事件も危機感が裏目に出たのでしょう。

単館系では、逆に作品によって平日でも満席が出たりしています。メインは女性とシニア層。ひとつはシネコン女性層が「作品志向」で単館へシフトしているのと、近年拡大するシニア層が映画を「再発見」しているということ。午前十時の映画祭も一役買ったと思われ、単館系の旧作特集上映が盛況傾向に。

結果として、シネコンは週末カップル層、ファミリー層、アクション大作等メジャー志向層は残るものの、女性層、シニア層は単館系へシフト傾向。更に危機感を増していると思われます。単館系生き残り競争も非常に厳しい状況にありますが、大阪ではまだ認知度の高い単館系が閉館するには至っていません。

それでもシネコンは現状コンセッション収益などでトータルペイしている。これを向上させるなら価格を一律千円(学生八百円)にする。観客増で充分ペイできます。あと常に魅力ある作品をかける。なければ旧作を常にかけておけばいい。実現したら映画ファンの拡大で単館系にも相乗効果があるはずです。

シネコンはスクリーン数が多く作品不足で単館系作品を上映したりしますが、それは単館系にまかせた方がいい。でないとまたミスマッチがおこる。そもそもシネコン大半層は大宣伝映画しか観ないのだから、口コミ力の単館系作品に客は来ないのです。これはシネコン、単館系、ともに不幸なことです。

それで(やっと本題の)単館系ですが、資本系列系は今まで通り新作買い付けにがんばる(女性層)、独立系はインディーズ(若年層)と旧作特集上映(シニア層)の充実を図る。マニアは横断的だが固定層なので拡大は期待できない。空白なのは男性層なので、ここをどう取り込むかが映画界全体の最大課題。

あと、京都シネマとか塚口サンサンとか、新作の遅れロードショー上映館の存在も重要で、かつての二番館の役割を果たしています。近年認知度を高めている模様で、今後もこのような上映館(に変更する館)が増えると思います。デジタル化対応問題さえ乗り切れば、単館系は生き残れると私は信じています。

連続長文失礼しました。「ろこみか」って何?って思われた方、わかりにくくて、ごめんね。

 (2012年1月25〜26日、ぶらいあんのTweetより)