あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

今年一番気持ち悪かったニュース

 少し前の記事ですが、このニュースをご存じない方のために下記にあげておきます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-05/2012100502_02_1.html
しんぶん赤旗、10月5日)

大日本帝国憲法復活請願
東京維新の会」が賛成

 橋下徹大阪市長の「日本維新の会」と連携し、9月に結成した都議会新会派「東京維新の会」(民主・自民を離党した3人で構成)は4日の都議会第3回定例会最終本会議で、現行の日本国憲法を無効とし、戦前の「大日本帝国憲法」の復活を求める時代錯誤の請願に賛成しました。請願は日本共産党民主党自民党公明党生活者ネット・みらいなどの反対で不採択となりました。

 請願は、天皇を元首として無制限に権力を与え、国民を「臣民」として、自由と権利を抑圧した大日本帝国憲法を美化。「我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄」して、日本国憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの都議会決議を求めています。

 また、東京維新の会は、都内在住外国人への生活保護支給の減額・廃止を求める陳情に賛成しましたが、反対多数で不採択となりました。
http://www.asahi.com/politics/update/1009/TKY201210090451.html
朝日新聞、10月9日)

大日本帝国憲法が現存」請願に賛成 東京維新の会

 日本維新の会と連携する東京都議会の会派「東京維新の会」が9月定例会で「日本国憲法は無効で大日本帝国憲法が現存する」との請願に賛成した。日本維新の会を率いる橋下徹大阪市長は9日、記者団に「地方議会は維新八策のうち地方に関係することは100%賛同してもらわないといけないが、そうでない部分は政治家の自由行動だ」と述べ、連携に支障はないとの考えを示した。

 請願は京都市の住民らが「日本国憲法占領憲法国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄すべきだ」などと主張する内容で、会派の野田数(かずさ)代表が紹介議員の一人。今月4日の本会議で民主党自民党などの反対で不採択となった。

 以上の記事をみると、京都市の市民が出した「大日本帝国憲法復活」誓願を東京都議会の新会派3人で構成される「東京維新の会」(元自民&民主)が議会に提出したが、反対多数で否決されたということ、そして日本維新の会の橋下代表は、問題はないと発言したということが書かれています。

 また、続報として以下。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-12/2012101201_03_1.html
しんぶん赤旗、10月12日)

「帝国憲法は現存、理解」 → 「ありえない」
批判集中受け 橋下代表主張一変


 「日本維新の会」の橋下徹代表(大阪市長)は10日、同会と連携する「東京維新の会」が、戦前の大日本帝国憲法の復活を求める請願に都議会で賛成した問題をめぐり、「大日本帝国憲法の復活なんて一部の特定のマニアの中だけでやっておく話だ」と語りました。請願賛成に「信じがたい」との批判が集中していることを受けて当初の論調を一変させた格好です。

 橋下氏は、前日の9日には「党本部の方であれやこれやとは言わない」と容認。請願に示された“現行憲法は無効で大日本帝国憲法が現存する”という特異な考え方についても「そういう理屈も成り立つことは理解している」と語っていました。

 ところが、10日の市役所での囲み取材では「大日本帝国憲法復活はどう考えてもありえない」と強調。「日本維新の会」が「東京維新の会」の側から「始末書みたいなもの」を受け取ったことを明かし、「始末書を出すぐらいなら初めからやらなければいい」と突き放しました。

 橋下氏は今後の同会との関係についても「こういう問題が起きたことも認識した上で、まずは今井(豊)副代表に見極めてもらい、執行役員会に上がってくれば僕が判断する」と述べました。

 一方、石原慎太郎都知事の「現行憲法破棄」論については、「新しい憲法をつくっていくという話だったら、理屈としてはあり得る」などと発言。橋下氏は「日本維新の会」としては現行憲法に定められた「改正手続き」によって改憲を目指すと繰り返しています。

 橋本代表は多数の批判を受けたあと、態度を変えました。
 このことからはいくつかのことがわかります。私たちが意識すべきことです。

 彼らの本音は「憲法改正して戦前のような内容に戻したい」と思っています。そして中の数人が「現行憲法はやめて大日本帝国憲法に戻すのが一番よい」という「手っ取り早い本音」を何も考えずに出してしまった。
 予想以上の批判を受けたので撤回したが、これは「考えが間違っていたから撤回した」のではなく「本音を出して怒られたから撤回した」ということです。
 つまり、今後彼らは「本音」をオブラートにつつみながら「建前」にそって行動するでしょう。(今の橋下代表のように)

 今後考えられることはかなり簡単です。
 「大日本帝国憲法」をそのまま出せば反対される。だから見た目は「現代の新しい憲法」、実態は「大日本帝国憲法のエッセンスを多分に含んだ憲法」を草案として提出するだろうということです。
 これは、別に東京維新の会だけの話ではなくて、日本維新の会改憲を目指す保守議員は同じ事を考えているはずです。
 だから「本音」を何も考えずにそのまま出してしまって叩かれた彼らを「何やってんだ」と思っている。「手順がまずい」と。

 私たち一般市民は、もし改憲されることになった場合、改憲される中身に問題がないか、ひとつずつ、精査していく必要があります。
 市民ひとりひとりがそれを行わないと、いつの間にか「新しい顔をした大日本帝国憲法」が新憲法になるかもしれないのです。
 これは可能性としてまったくない話ではありません。

 それにしてもこの「事件」をみると、近年の右傾化もここに極まれり、という印象を受けます。
 これがまだ少数派なのが救いなのですが、果たして今後、若い世代を中心に、徐々に広がってしまわないか、というがちょっと心配です。

 これは本当に気持ちの悪いニュースでした。
 みなさんはどう思われたでしょうか。

 (2012年10月15日)