あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

「SNSと映画館」(4)映画館ツイートについて

 前回まではTwitterでのハッシュタグSNSと映画館」で私が発言したツイートをまとめたものですが、今回に関してはあらかじめ書いておきツイートする準備をしていたものです。
 ツイートが多くなりすぎたため、こちらで一括して初出とすることにしました。

#SNSと映画館 映画館によるツイートについて。私は関西在住なのでそれを基準に語りますが、基本的にツイートする映画館というのは宣伝力がないことの代替行為です。なのでシネコンではなく、ミニシアターが議論の対象になります。配給会社や作品公式や監督等関係者ツイートはとりあえず棚上げ。

#SNSと映画館 映画館ツイートには大きく「情報発信」「作品感想リツイート」「映画館情報・感想リツイート」3つ。最初のは業務連絡、最後のは「初シネ・ヌーヴォ。めっちゃ雰囲気〜」とか「1月11日からポーランド映画祭が」とか。ここでは主に「作品感想ツイート」について考えます。

#SNSと映画館 基本的に映画館はTwitterによる観客増効果を疑問視しています。当初期待した「劇的効果」はないものの、かといって「全く効果がない」とも思っていないのでやめるにやめられないのが現実でしょう。よって費用はかけられないため専任者を置けないというのが実情です。

#SNSと映画館 ここで、関西での「Twitter成功例」として「塚口サンサン劇場」の話が出てくると思います。おそらくあそこは一人の方が専任でやられているのでは、と思いますが、「サンサン劇場」で検索したツイートほぼ全てに引用リツイートするという「力技」で人気を得ています。

#SNSと映画館 しかしサンサン劇場のTwitter活用について、ふたつ疑問があります。ひとつは「Twitterの盛り上がりが観客増に結びついているか」これはこのハッシュタグの当初から言われていることでもありますが、実際にサンサン劇場に通っていて、「うーん?」と感じます。

#SNSと映画館 確かにツイートを見たから来たという観客もいると思いますが、盛り上がっているとは(一部のイベントを除いて)言い難いと感じています。ふたつめは、専任で大量の引用リツイートを夜中まで時間をかけて行っている現状をみると、その人が倒れたら終り、という高リスクです。

#SNSと映画館 他の劇場の場合、引用リツイートは少なく単なるリツイートが多いのは、コメントを付加する場合に同じ人が書かないとコメントに一貫性を保つのが難しいのに、専任の担当者をおけないため、または単にコメントを付加してリツイートする時間も手間もかける余裕がないためかと。

#SNSと映画館 そのように推測できます。では単なる公式リツイートのみ行う場合、フォロワーにはどう映るか。よく「作品公式アカウントのリツイートがウザい」という声が聞かれますが、これは同じ作品を単純に礼賛したリツイートが連発されることでノイズ/スパム化する、という現象です。

#SNSと映画館 映画館の場合、多数の作品が対象になることや、他の情報も混在することから「リツイートの単調化」は避けやすい。しかしながら作品礼賛リツイートばかりだとこれもノイズ化しやすい恐れがある。ここではネガティブ情報を含む多様な観点のツイートを捉えることが重要ではと。

#SNSと映画館 作品や映画館のネガティブな情報(例えば「うーん、この映画想像したほどではなかったな〜」とか「シネ・ヌーヴォ、ふる〜。ちょっと一人で行くのは・・」など)をリツイートすると、そのリツイート情報自身はともかくその映画館アカウントに対する信頼度は逆に高まります。

#SNSと映画館 人間心理として、10割の絶賛は信じ難い。5割絶賛5割非難は躊躇する。でも8割絶賛2割非難なら「これは面白そうかも」と感じるのではないかと。もちろんこれは作品のジャンルやテーマ性などが興味と合致していることが前提となります。意外としていない所は多いのでは。

#SNSと映画館 映画館アカウントへの信頼性が高まることは映画館そのものへの信頼性が高まることにもつながります。私の考えとしては、シネコン以外の「行きつけの映画館」を作りましょうと言っているのですが、それにはまず「この映画館でかかっている映画なら大丈夫」という信頼が必要。

#SNSと映画館 若者をミニシアターへ誘導するという話とようやくつながって来ましたね。まあ先にも書きましたが若者に限らず、映画館初心者に「行きつけの映画館」を、できれば複数作るとこまで持っていくことができれば、その人が他の人に及ぼす波及効果を含めて色々つながっていくかと。

#SNSと映画館 そして、映画館の信頼性を向上させるには、前提として良い作品を上映すること、映画館の施設環境を良くすることに加えて、低コストの情報発信方法としてSNSの活用。そこに「信頼とともに、好かれる存在」となる効果を秘めているのではないか、と思っているのですが・・。


 (2014年1月8日記載/未発表)