あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

シネ・ヌーヴォの今井正特集より『また逢う日まで』

シネヌーヴォ【今井正特集】「また逢う日まで」。有名なメロドラマなので、戦争を背景にした恋愛物くらいに思っていたので驚いた。メロドラマ以上に戦争映画だったのだ(ちなみに「戦争と青春」でも似た状況が描かれる。また娘の名前が螢子)。杉村春子が絵に「螢子」と語りかける場面が極めて印象的。

 (2012年1月23日、ぶらいあんのTweetより)

<補足>今井正は戦時中に国策映画を多数撮っており、「戦時中にあんなひどい映画を撮っておいて、戦後はコロッと転向し、民主主義映画の旗手になった」というような見解が一部にはある。シネ・ヌーヴォ代表の景山理氏は、若い頃にこれらの国策映画を在日の友人達と観て憤慨し、今井監督に批判した内容の手紙を送った。意外にも返信があり「戦時中に作った映画について自分は釈明をしない。それに対する答えは私が作ってきた映画を観て判断してほしい」というような内容だったという。遺作となった『戦争と青春』は、戦時中の作品を含めた、今井正映画の総決算のような映画になっている。

 なお韓国人で日本の大学で今井正の研究を行っている崔盛旭氏によると、国策映画の中にもよくみると不可思議なシーンがいくつかあり、国策に沿った映画でありながらも、それに抵抗するかのような場面をもぐりこませていたと考えられるという。

 (2012年8月15日)


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