あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

第14回大阪アジアン映画祭ピクルス的まとめ

第14回大阪アジアン映画祭の私的まとめとして、オススメ作品としてツイートしたものを以下に挙げておきます。(2019年3月10日〜18日Twitter発表分)

 

『過ぎた春』(2018年、中国)父が香港人で母が中国人の16歳ペイペイは、親友ジョーと日本への旅行を夢にてバイトするが、ジョーの彼氏に危ない仕事を頼まれる。大陸と香港を越境通学する女子高生の青春映画でありクライムサスペンスの秀作。初監督作品。

 

『アルナとその好物』(2018年、インドネシア鳥インフルエンザの調査をめぐる謎を中心に、4人の恋模様と食べ歩きを描いた良作。食べ物についてのロードムービーと言えるが、謎と恋という2大要素も加わって非常にバランスの良い作品。夕食どきには酷です。

 

『ビリーとエマ』(2018年、フィリピン)マニラから田舎のキリスト教系女子校に転校して来たビリーと、彼氏のいる優等生のエマ。問題児ビリーを避けて来たがあるきっかけで急速に接近する。女子高生の恋愛を爽やかに描いた好篇。二人のその後が気になる。

 

『桃源』(2018年、中国)チャン・チュウは子持ちの女性リー・ホンと同棲しているが、前妻カオ・シューエンと息子のことが忘れられない。中国地方都市に住む若者たち(といっても40歳前後くらいか)の閉塞感を、狂おしいまでの「愛の形」で描いた秀作。

 

『いつか、どこかで』(2019年、セルビアクロアチアモンテネグロマカオ・日本・マレーシア)バルカン半島3部作の第2作。同じ舞台で前作と少し印象が違うのは、アジア人女性目線のところかと。歴史の重さを感じながらも様々な街の風景が心地よい。

 

『みじめな人』(2018年、香港、HONG KONG NIHGT)事故で下半身麻痺になった初老の男性と新しくやってきた広東語を話せない家政婦のフィリピン人女性。最初はうまくいかないが親密な友情を抱くまでになる。心に響く暖かい映画。香港ナイトも楽しい。

 

『悲しみより、もっと悲しい物語』(2018年、台湾)韓国ヒット映画のリメイクだが、オリジナルは未見。恋心を秘めた孤独な男女が高校から10年以上同居する関係に。それは死の病が彼の未来を封じたからだった。最後のツイストで場内のすすり泣きは絶頂。

 

『ハイ・フォン』(2019年、ベトナム)一匹狼の取り立て屋でシングルマザーのハイ・フォンは陰口を叩かれながらも強く生きていたが愛娘が誘拐され犯人グループを自ら追う。圧倒的な格闘シーン(武道ボビナム)が魅力的であり、「母娘愛」を描いた傑作。

 

『パパとムスメの七日間』(2018年、ベトナム)日本の同名小説を原作として日本でドラマ化され韓国でもリメイクされた映画のベトナム版。原作や韓国版は未見で、基本設定は同じながら日本のドラマとはずいぶんテイストが異なるものの、脚本が練られた楽しい快作。

 

上記以外で印象に残ったもの

#パン・ホーチョン『ハッピーパッポー』(2019年、香港)

#ジェイ・アベリョ『オレンジ・ドレスを着た女』(2018年、フィリピン)

#ジョウ・ジョウ『美麗』(2018年、台湾・中国)

#ツァン・ツイシャン『非分熟女』(2018年、香港)

#ハン・ガラム『アワ・ボディ』(2018年、韓国)

#リマ・ダス『ブルブルは歌える』(2018年、インド)

#アソカ・ハンダガマ『アサンディミッタ』(2018年、スリランカ

#イ・オクソプ『なまず』(2018年、韓国)

 

 という感じでした。以上。

 

(2019年3月27日/2019年3月31日加筆)