あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

映画の定価が二千円になる日

 TOHOシネマズの公式サイトによると『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年12月18日公開予定)は、特別価格になるようだ。

 以下、公式サイトから抜粋。

                                                                                                                                                                                                                                                                • -

 ■12/18(金)公開『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をご鑑賞のお客様へ

本作のご鑑賞に際し、過去の事例を参考に作品的な価値を踏まえて一般料金を特別価格に設定させていただく事になりました。 予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

【特別価格】 一般 2,000円

【対象劇場】 日劇、渋谷、六本木ヒルズ日本橋、新宿、梅田、なんば、西宮OS

○『一般』以外のご鑑賞料金に変更はございません。

 ※ファーストデイやレディースデイなど、サービス料金を含むその他の価格は変更ございません。

○ご鑑賞に際し前売券・ムビチケを含む、通常の上映でご使用いただける鑑賞券やパスポートチケット、
 シネマイレージサービスの6ポイント鑑賞などはご使用いただけます。

 ※上記ご利用の場合、差額200円をお支払いいただくことはございません。
 ※3D上映を含む特殊な施設や座席を使用する上映をご鑑賞の場合には、別途追加料金が必要です。

                                                                                                                                                                                                                                                                • -

 「過去の事例を参考に作品的な価値を踏まえて一般料金を特別価格に設定」
 という全く具体的な記述のないこの箇所の白々しさが際立つ文章である。

 今のところ、この作品のみの特別価格だと説明している。このことは何を意味しているのだろうか。

 おぼろげな記憶で申し訳ないが、かつて映画料金を1800円に「値上げ」するときも、1700円の「定価」と1800円の「特別価格」が一時期混在していたように思う。

 要するに、作品毎に特別価格を指定し、その数を徐々に増やし、最終的にすべて新価格に統一する。そのとき「特別価格」は「定価」になると思われる。

 現時点で予想するならば、2000円の「特別価格」が「定価」になるタイミングは、(もっとも口実を立てやすいという意味で)1年4ヶ月後の2017年4月1日、つまり消費税が8%から10%へ増税する日になるだろう。
 前回は「実質的なサービス価格を値上げ」したから、今回は「定価を値上げ」する、という訳だ。

  TOHOシネマズが定価を2000円にすれば、他のシネコンも横並びに価格を変えてくることは間違いない。
 (2014年4月のサービス価格値上げはまさに「TOHOシネマズの動向を見守り、そして決まった途端ドッと合わせてくる」という滑稽な事態であった)

 するとミニシアターはどうなるだろう。

 おそらく、すぐには値上げにはならないだろうが、サービス価格は維持しつつも、半年から数年後には定価を2000円に合わせてくるのではないか。最終的にはそうなるように思える。

 定価2000円。サービス価格(1100円)で映画を観るヘビーユーザーにはあまり影響はないのかもしれないが、たまにしか映画を観ないライトユーザーには「映画料金は高い!」という印象を今以上に強く持たせることは間違いない。

 おそらく世界的にみても2000円という価格は相当な高値だろう。これが観客動員に影響を与えることは間違いない。
 一時的にか長期的にかはなんとも言えないところではあるが・・。
 ちなみに前回の値上げ(2014年4月)の際は8月頃まで観客動員が戻らなかったという話を聞いたことがある。

 この値上げが映画をめぐる環境に長引く悪影響を与えないことを祈るばかりである。

 ふう。

 (2015年11月17日)