あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

初めての京都映画祭

 第8回京都映画祭に行ってきました。

 初めてです。

 しかし、何と言うかそのユルさにびっくりしました。

 まず、映画が終わっても、場内の入れ替えがない。
 いや確かに1回券とかがなくて1日券以上しかないからというものあるのですが。

 それにしても、毎回観客を並ばせておいて、ハイ開場で〜す、という映画祭らしい感じがありません。
 (自分が行ったことのある数少ない映画祭はみな整理券方式だった訳ですが)
 
 終わったらなんとなく観客が出てきて、はじまるときはアナウンスで呼び込み。しばらくしてなんとなく観客が入って行きます。

 この何ともだら〜んとした感じがとってもいいです。

 そして、衝撃的なのはその料金。

 フリーパスをのぞくと1劇場1日券というのがあるだけです。当日千円。
 映画が4、5本観ることができて、ゲストを招いたトークショーもあっての、千円です。
 1本200円切ってます。ちなみに前売りは800円。

 いくら新作でないとはいえ、モトが取れているのか、ちょっと心配になります。
 ニュープリントも多く、ほとんどが綺麗なフィルムが大画面で楽しめます。
 (それなのに、あまり観客が入っていないので関係者の方が目立ちます。大丈夫でしょうか)

 公式プログラムはよくできているのに500円。原価が千円という話も聞きましたが、それが本当に思えるほどの出来映えです。

 この映画祭は2年に一度で、今までは時代劇がメインだったようなのですが、今回は1970年頃(65〜75年)の京都東映で製作された現代劇を、中島貞夫監督を中心にプログラムが組まれています。
 昨年常設劇場としては閉館した祇園会館がメイン会場で、あとは別の会場で若手の新作上映、無声映画の発掘上映などを行っています。

 僕はメイン会場中心に観ていますが、中島監督作品は面白いですね。シリアスな作品でもどこかに笑いがあったりします。
 今のところ一番面白かったのは『狂った野獣』。バスジャックの話ですが、『スピード』ばりの緊迫したアクション(走るバスの車内で殴り合うシーンをキャメラが回り込んで撮る場面は、迫力があるのにくわえてまるでキャメラが存在しないような見事さ!)と随所に盛り込まれるとぼけた笑いが楽しい娯楽作でした。(最終日8日も上映されます)

 今まで東映作品を多く観る機会がなく、あまりいい印象もなかったのですが、ちょっと考え直さないといけないな、と思いました。

 また、トークショーのゲストも多彩ながら、監督の興味深い話や、それを引き出すホスト役の山根貞男さんが素晴らしい。

 次回以降も興味深いプログラムで開催されればいいな、また行きたいなと思います。

 まだ明日も行くつもりなんですけどね。

 (2012年10月6日)