あたまのなか研究室

ピクルス(2代目)とぶらいあん(初代)の研究室です。

ビーチボーイズ日本公演のセットリストを、読む

 みなさまこんばんは。ビーチボーイズ来日公演の余韻さめやらぬ夏の終わりですが、いかがお過ごしでしょうか。

 今日は、今回のビーチボーイズ日本公演において演奏された曲について、どんなものだったかをちょっとだけ考察してみました。

 まずは、日本公演で演奏された曲のシングル、アルバムの収録元とリリース日を一覧にしました。
 曲は、もっとも多く演奏された名古屋公演の曲順で表記しています。
 (曲名、リリース日付の後に何も記載されていないものはシングルA面曲です)

1.Do It Again 1968/7/15
2.Little Honda 1964/9/21 (Four By The Beach Boys EP)
3.Catch a Wave 1963/9/16 (from Album Sufer Girl)
4.Hawaii 1964/2/1
5.Don't Back Down 1964/7/13 (from Album All Summer Long)
6.Surfin' Safari 1962/6/4
7.Surfer Girl 1963/7/22
8.Getcha Back 1985/3/5
9.You're So Good to Me 1966/3/21 (Sloop John B B-side)
10.Then I Kissed Her 1967/3
(The Crystals cover)
11.Darlin' 1967/12/11
12.Don't Worry Baby 1964/5/11 (I Get Around B-side)
13.Little Deuce Coupe 1963/7/22 (Surfer Girl B-side)
14.409 1962/6/4 (Surfin' Safari B-side)
15.Shut Down 1963/3/25 (from Album Surfin' USA and 63/10/7 Little Duce Cupe)
16.I Get Around 1964/5/11
17.That's Why God Made the Radio 2012/4/26
18.Heroes and Villains 1967/7/24
19.Isn't it Time 2012
20.Why Do Fools Fall in Love 1964/2/3 (Fun,Fun,Fun B-side)
(Frankie Lymon & The Teenagers cover)
21.When I Grow Up (to Be a Man) 19648/17
22.Cotton Fields 1970/4/20
(Lead Belly cover)
23.Forever 1971/2 (Cool, Cool Water B-side)
24.God Only Knows 1966/7/11 (Wouldn't Be Nice B-side)
25.Sail on, Sailor 1973/1/29
26.All This Is That 1972/3/15 (from Album Carl and the Passions "so Tough")
27.Sloop John B 1966/3/11
28.Wouldn't It Be Nice 1966/7/11
29.Good Vibrations 1966/10/10
30.California Girls 1965/7/12
31.All Summer Long 1964(from Album All Summer Long)
32.Help Me, Rhonda 1965/4/5
33.Rock and Roll Music 1976/3/24
(Chuck Berry cover)
34.Do You Wanna Dance? 1965/2/8
(Bobby Freeman cover)
35.Surfin' USA 1963/3/4
36.Kokomo 1988/7/18
37.Barbara Ann 1965/12/20
(The Regents cover)
38.Fun, Fun, Fun 1964/2/3


<演奏曲の発表年一覧>

 1962年 2曲
 1963年 5曲
 1964年 9曲
 1965年 2曲
 1966年 6曲
 1967年 3曲
 1968年 1曲
 1970年 1曲
 1971年 1曲
 1972年 1曲
 1973年 1曲
 1985年 1曲
 1988年 1曲
 2012年 2曲

<演奏曲の発表年代集計>

 1960年代 30曲(全体の78.9%)
   62ー65年 20曲(63、64年が7割)
   66ー69年 10曲(66年が6割、67年が3割)
 1970年代 4曲(70−73年が1曲ずつ)
 1980年代 2曲
 2010年代 2曲

 60年代の曲が多いとは思っていましたが、その中でも偏りがありました。
 60年代を前半62−65年(デビュー〜Pet Sound前まで)、66−69年(Pet Sounds〜キャピトル契約解除まで)に分けるとすると、前半は63、64年が全体の7割、特に64年は9曲と半分近い比率となっています。この年はシングル7枚リリースした年でビーチボーイズ人気の最初のピークであるということでしょう。
 後半が66年から67年にかけて偏っているのは、アルバム "Pet Sounds"から"Smile"にかけての時期であり名曲が目白押しの時期であったということが大きいと思われます。

 最新アルバムからのシングル曲2曲と80年代のヒット曲(Getcha Back,Kocomo)の2曲は順当として、注目は70年代の4曲。シングル2曲(Cotton Fields,Sail on Sailor)と、シングルB面 Forever アルバムからの All This Is That の2曲はフューチャリング曲。やはり70年代が冷遇されている印象は否めません。難曲とはいえ、Surf's Up,Disney Girl あたりは披露してほしかったところです。
 これはマイクの存在が大きいところからくるのでしょうが、これがマイク版ビーチボーイズだったら、60年代前半に更に集中するのだろうと思われます。

<演奏曲のシングル・アルバム収録状況>

 シングル曲(A面) 25曲(65.7%)
 シングル曲(B面)  7曲(18.4%)
 EPシングル収録曲   1曲(2.6%)
 アルバム収録曲    5曲(13.1%)

 演奏曲にシングルが多いのは当然ですが、B面やアルバム収録曲が比較的多めだったのは少し予想外でした。
 Don't Worry Baby,Little Duce Cupe,409や、特に God Only KnowがB面というのはちょっと意外。(それだけA面が強力だったということなのですが)
 逆に、クリスタルズのカバー Then I Kissed Her なんかはちゃんとシングルA面なんですね。ちょっとB面っぽい感じですが。
 あと、アルバム収録曲は5曲なのですが、そのうち3曲が"Surfer Girl","All Summer Long"から出ています。ちなにに Hawaii は64年にシングル化される前に"Surfer Girl"('63)に含まれており、それをカウントすると4曲になります。他には、なぜか2つのアルバムに収録されたShut Dawn(問題のコンピアルバム(※)のタイトル曲でもあります)と、もう一曲は、"Carl and The Passions〜So Tough" からの All This Is That です。ここにも偏りが感じられますね。

 (※)キャピトルに勝手にコンピレーションアルバムに曲を入れられたのを怒った彼らが、次の新作アルバムを嫌みったらしく、"Shut Dawn Vol.2"とした"事件"。かつて初級BB5ファンは「ビーチボーイズの『シャット・ダウンVol1』はどこ?」と混乱していたものです。(今では問題のコンピアルバムも入手しやしくなっています)

 以上、ビーチボーイズ日本公演で披露された曲についてちょっとだけ考察してみました。


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 また、リリース日の詳細が不明な曲についてご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせ下さいませ。
 https://twitter.com/TwitBrianTwitt


 (2012年8月27日)


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