『龍神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ』にみたもの
「龍神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ」を観た。既存フォーマットを借りてはいるが、これはウチナーのウチナーによるウチナーのための教育番組である。全編通して沖縄テイスト、ゆったり感、トボケた味、言葉のイントネーションが心地よい。ほぼ沖縄キャスト、熱意を感じ胸が熱くなった。
しかし「マブヤー」の教育番組たる由縁は言葉(ウチナーグチ)のことだけではない。「ウチナーの海を汚したのは人間だ」と言う時の「人間」とは誰を指すのか。「沖縄に、こういうの(武器)は似合わない」と言う時の「武器」とは何を指すのか。一見聞き流しそうなこの控えめな言葉は、あまりにも重いものだった・・。
(2012年1月12日、ぶらあいんのTweetより。「武器」の表現を補足)
<補足>
琉球王国は15世紀はじめに成立。独自の言語、文化を持つ。17世紀に薩摩藩に征服されたが日中両属の形となる。明治初期に日清両国がその帰属を巡って争った結果、日本領沖縄県となった。同化政策により言語は奪われた。事実上の侵略である。太平洋戦争末期は唯一の本土戦により10数万人以上の民間人が死亡した(日本軍による島民虐殺や集団自決強制を含む)。戦後米国の統治下にあったが、72年に復帰後も米軍基地は残されたままである。一方、70年代半ば以降、航空会社や広告代理店、芸能界を巻き込んだ「リゾート化」が行われ、沖縄は再開発の場となったが、その結果、環境汚染が進んだ。
(2012年8月2日)
<DVD>
琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ